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この師ありてこそ 田島賢亮 [宮内よもやま歴史絵巻]

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いよいよ「宮内よもやま歴史絵巻」26年度版全10枚作成に本腰をと思っていたところに、齊藤喜一さんが『田島房子小文集』というのを持って来てくれた。田島房子さんは田島賢亮の奥さん。賢亮が宮内小学校で小学3年の房子(佐々木)を担任、「この子を妻にしたい」とひそかに思いつづけて11年、ついに結婚、13歳年下。実にむつまじい夫婦だったようだ。この本に、斉藤さんの伯母さんが田島先生に恋いこがれて花を届ける様子が描かれている。田島先生、もらった花はすぐゴミ箱に捨てたようにこの本にはあるが、斉藤さんが聞いているところによると、田島先生も満更ではなかったらしい。ともかくこの小文集を読んで、田島賢亮を語らずして宮内文化は語れないと思い、昨日図書館から借りてきたのが私家版『追想 田島賢亮』。一通りながめて、次の文章をどうしても留めておきたくなった。

 

《   「教育は感化」

         (緑丘中学校PTA会報 昭30・3・15

 以前「教える」という言葉が使われました。私には不満足であります。たとえぱ、親孝行とはかくすべきだと教えることは誰にでも出来ます。けれどもこれだけでよいものでしょうか。戦争後には「指導する」という言葉が使われるようになりました。これも不満足です。こうして親孝行をしなさいと指導すること誰にでも出来ます。けれどもこれだけでもよいものでしょうか。

 私は、教育は「感化」であると信じております。自分自身が親孝行でなけれぱ、子供を孝行の人に感化するわけには参りません。感化は理屈ではありません。理屈などは、子供自身が先刻知っております。わかっておるのに理屈を並べるから、子供はますますいやになるのです。


 教師や大人に純情があり、熱情があり、若々しい鋭い感性があり、けがれない良心があり、同感があれぱ、必ず子供は感動を受けます。感動のないところに、感化はありません。教育は人間との共鳴に出発すると存じます。》(『追想 田島賢亮』昭和61年)


それを書き出しに「宮内よもやま歴史絵巻」の文章をつくってみた。題して「この師ありてこそ 田島賢亮」。

 

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「私は、教育は「感化」であると信じております。・・・教師や大人に純情があり、熱情があり、若々しい鋭い感性があり、けがれない良心があり、同感があれぱ、必ず子供は感動を受けます。感動のないところに、感化はありません。」(緑丘中学校PTA会報 昭30・3・15


田島賢亮(明治301897ー昭和581983)の最初の勤務校宮内小学校での奉職は、大正810月から10年の3月まで2カ年に満たない。しかしその感化力は、須藤克三、芳武茂介、小田仁二郎、黒江太郎といった宮内文化史に輝く人材を生みだした。名を残す人だけではない。大正デモクラシー的平等観に立った形式にとらわれない教育の成果は、今もなお宮内文化の底流に脈々と伝わる。


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賢亮は漆山村の医師田島徳弥、産婆かやの次男として生まれた。心臓疾患のため世界雄飛の大志をやむなく断念、師範学校に進んで自由律俳句に出会う。その傾倒ぶり並みのものではなく、師範学校時代すでに河東碧梧桐をして「東北に絹亮(俳号)あり」と言わしめるほどであった。碧梧桐門下が「山形での師」として紹介されていたその人は、勤務した学校の生徒(賢亮のこと)だったという話もある。


向学心のおもむくところ、小松小の勤務を経て国学院大学師範科を卒業。戦前は府立中で国語教師、宮内田町に疎開して長井中学校初代校長に。その後東京の都立校に転じて校長歴任。廃校やむなしの荒れた中学校の再建を果し、退職後は代々木ゼミナールの経営に参画。名誉校長として生涯を終えた。多くの人に慕われ、その死は「巨星墜つ」と惜しまれたという。


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双松公園に句碑があります。昭和63年11月、教え子たちが中心になり宮内文化懇話会によって建立されました。「辛夷(こぶし)咲くわが家 よるひるのわが家 絹亮」



上記以外、賢亮の薫陶を受けた方の名前をあげておきます。(宮内関係のみ 順不同 敬称略)

大竹俊雄(自由律俳人、果樹農家、市会議員)、吉田誠一(石工、小田仁二郎碑等)、佐藤忠三郎(同級会長、市会議員、(医)公徳会理事長・NDソフト(株)社長の父)、海老名松之助(農業)、漆山源次郎(農業、市会議員)、加藤栄一(農業)、菅原正藏(建具製造、高橋美子さんの兄)、鈴木隆一(宮内高教頭)、高橋ヨシ(女医)、中山いち(女子美術学校時代に夭折)、高橋儀一郎(東京で夭折)、三須秀三(NHK国際調査局チーフ)、相原四郎・・・手元の資料からわかった範囲です。田島先生の印象は明治41年頃から44年頃生れの宮内の人たちの記憶の中にしっかり焼き付いているように思います。



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