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mespesadoさんによる1億人のための経済講座〈Ⅱ〉(2) (付・「マイケル・グリーンに聞く」)  [mespesadoさんによる1億人のための経済講]

72:mespesado : 2018/01/07 (Sun) 22:10:53 host:*.itscom.jp
>>66
 さて、第3章「どんな経済政策を掲げるべきか」に進みます。
 この章では、最初から結論が掲示されています。第1節のタイトル「緩和マネーを福祉・医療に使って雇用拡大!」がそれです。
 これまでの章で述べてきたことの帰結として、野党が取るべき政策は、当然経済政策であるべきで、それも「安倍さんよりもっと好況を実現します!」ということでなければいけない、と著者は主張します。そして緩和マネーをつぎ込む先として、具体的に「福祉・医療・教育・子育て」分野を提案します。これは、先述の電話によるアンケート調査による国民の声そのものです。
 そして緩和マネーの作り方として、
 ① まず国債を発行する。
 ② 日銀はその発行高と同じ額の国債を(市場から)買い取る。

 これで政府+日銀は、市場をを介在させて「無からおカネを作ったことになる」わけです。ちなみに政府が国債を発行しても、それを直接日銀が買い取ることは、「財政法」第5条で原則禁止されています:

> 第5条 すべて,公債の発行については,日本銀行については,日本銀
> 行にこれを引き受けさせ,また,借入金の借入については,日本銀行か
> らこれを借り入れてはならない。但し,特別の事由がある場合において,
> 国会の議決を経た金額の範囲内では,この限りではない


 これはもちろん、かつての戦後のハイパーインフレへの反省から「政府が日銀の国債引き受けに頼り,過度のインフレが起こることや、放漫財政を抑止するため」にできた法律なのですが、上記のように①と②を同時に行ってしまえば同じことになるので、事実上はザル法です。これは著者もそのように述べています。
 さて著者は、福祉・医療・教育・子育ての分野で緩和マネーをばら撒けば、これらの分野で雇用が増えて、それらの原材料を作る分野にも波及して雇用が増え、被雇用者は収入を得るので消費も拡大し、これにより景気が拡大していくと説きます。また、これにより失業者が減ると、人手不足により賃金も上昇し、更に消費が増え、好循環が続く、というわけです(ただし、この本が出た時点では、ここまで人手不足が深刻化していなかったと思うので、特に介護の分野におカネを撒くことによって待遇が良くなると、この分野はもともと慢性の人手不足ですから、人材の取り合いが深刻化する可能性はあります。もっとも、これは新たなビジネスチャンスでもあり、前に指摘したように、人手不足は賃上げの要因となるだけでなく、自動化、AI化へのインセンティブとなり、新規ビジネスの発生と技術の進歩と人手不足の解消を同時に齎すことが可能になります)。
 さて、ここで著者はこれらの資金源は、「無からつくったおカネ」すなわち日銀の緩和マネーを使うのでないと意味がない、と主張します。なぜなら、他の政府支出を切り詰めて「財源」にしたら、政府の総支出は変わらないので総需要が増えず、カネ回りは良くならないので景気は向上しないからです。
 また、著者は民間から借金するとか増税して「原資」にするのもだめだと主張します。なぜなら、それはどちらも民間から購買力を奪ってしまい、やはり総需要が減ってしまうからだ、というのです。
 これらのうち、税金の方は明らかですが、民間による借金の方は、ちょっと考えると、不況のときは設備投資も抑えられ、民間による借金も少なくなるので、政府が代わりに民間から借金してあげれば、借金による信用創造でオカネが増えるので、おカネを刷ったのと同じことになるような気がしますが、著者の主張する民間からの借金ではダメという理由は以下のとおりです。
 デフレがひどい不況のもとでは企業が将来が不安で内部留保を溜め込んだり、銀行も貸し渋りをし、将来経済環境が良くなったときに設備投資や貸付をするため極力現金で持っておこうとするから、それを政府が無理に徴収したり借りたりすると、①その穴埋めのために消費を抑えて新たに溜め込むか、②おカネを貸したくないので金利が上昇する。すると金利上昇により円高になり、輸出が減って景気が悪くなる、という理屈のようです。
 なんか、この理屈はよくわかりません。
 まずそもそも銀行は「預金者の預金の範囲内で貸付を行う」わけじゃありませんから、将来金利が上昇したときに貸付ができるように今貸さないで現金で取っておくために貸し渋りをする、なんてことはありません。そんなことをしたら、今現在の利子収入が満足に得られませんし、将来金利が上がったら預金も増えるはずですから問題ないはずで、この理屈はヘンです。
 しかも、①の方は、そもそも銀行が貸し渋りするのは貸し倒れになりそうな相手ばかりが貸付を受けようとするので貸し倒れリスクが高いために貸付を渋るのであって、国相手の貸付は国家の信用から考えて貸し倒れリスクは考えなくてよいので貸し渋りが起きるとは考えられません。また企業の内部留保も、別に「現金で」持っておく必要はなく、国家への貸付は銀行預金のようなものですから、財務諸表上は別に穴が開くわけでなく、しかも利息が稼げるのですから国家相手の貸付を渋るとは考えられません。
 また②の方ですが、おカネを貸したくないと金利が上がる、というのは変な物言いで、通常の資金需要に加えて借金したいという国家の資金需要がこれに加わるから需要と供給のバランスで金利が上昇する、ということなのでしょうが、そもそも不況なので銀行は資金需要が足りなくて困っているはずで、そんなに金利が上昇するほど資金需要があるならそもそも不況になどなっていないはずです。
 というわけで(この本の論全体の構成に影響するわけではないが)、この「民間からの借金ではダメ」という部分が、この章の中で最初に疑問符?が付いた部分でした。 (続く)
74:mespesado : 2018/01/08 (Mon) 13:00:32 host:*.itscom.jp
>>72
 さて、第3章第1節の続きです。
 巷でよく言われる「もう消費は成熟していて、所得が増えても消費に回さないから景気はよくならない」という俗説に対し、著者は、今までの不況で生きるか死ぬかギリギリの水準で生きてきた人が大勢いて、彼らの所得が増えれば消費は確実に増加するとして、この俗説を批判します。私もそれはそのとおりで、>>66 で紹介した第2章の消費の落ち込みに関する分析結果は、まさにそのことを明確に証明していると思います。
 さて、次の第2節は「悪性のインフレにはならない」と題して、日銀がおカネをつくって政府支出してもハイパーインフレにはならないという、私もかつて力説したメカニズムが説明されています。すなわち財やサービスへの需要が増えても、供給力がそれを上回るなら物価は上がらない。そして歴史に残る大インフレーションが起きたのは、第1次大戦後のドイツや第2次大戦後の日本のように、戦争で生産力が激減した場合に生じていると説きます。
 他にも、発展途上国の場合、機械や工場などの生産設備が足りない場合、おカネを増やしすぎると工場をフル稼働させても生産が追いつかず、ひどいインフレになることがある、と述べます。
 ところがここで、著者は次のように述べます:

>  現代の日本のような普通の先進国の場合は、機械や工場などの生産設
> 備は国じゅうに充分ありますので、供給能力の上限を画するのは、労働
> の完全雇用です。働きたいのに働けないでいる失業者が、みんな雇いつ
> くされたときが、生産の上限なのです。

 そしてピストン内の空気を暖めるたとえ話により、

>  ところがピストンが壁にぶつかってしまうと、それ以上熱を加え続け
> るとシリンダー内の圧力がどんどん高まってしまいます。これが、完全
> 雇用になってもおカネの発行を続けたら悪性インフレになることを表し
> ます。いつまでもやめずにいると、どこかで大爆発することになります。

と念を押しています。
 もちろん、これらのくだりは著者が本来主張したいこと、すなわち

> 物価が上がったのを追いかけて、生産がスムーズに拡大できるならば、
> インフレが進行していったりしません。

とか

> 失業が充分ある間は、ひどいインフレになる心配などする必要はない

という部分が言いたかったことなのでしょうが、著者の主張する「完全雇用が実現したときが生産の上限」というのがどうもよくわかりません。
 著者は第6章でも経済の「天井」という概念について述べていて、

> 失業者がみんな雇いつくされて完全雇用になったら、もうそれ以上、
> その時点で生産を増やすことはできません。これが経済の「天井」に
> なります。

と述べています。この「経済の天井」という言葉ですが、経済用語として「天井」というと株価の天井のことを普通は指すので、「経済の」天井という言葉はあまり聞いたことがありません。そこで、ネットで調べると、2010年に発行された、松谷明彦という人の『人口減少時代の大都市経済』という本の中でも

>  仮にこの先、好況が続き、完全雇用に近い状態となれば、それは日本
> 経済の生産水準が生産能力の天井に達したということだから(以下略)

という使われ方をしており、一人松尾さんが勝手に発明した概念ではなく、経済学で普通に使われる概念なのでしょう。
 でもこれ、何か納得できない概念ですよね。だって、既に2010年ころからそうだったと思うのですが、製品の生産は人力に頼るのでなく、ほとんど機械が生産しています。そりゃ、昔なら、たとえ機械化していても、チャップリンのモダンタイムスじゃないですが、ベルトコンベアの脇に労働者が一列に並んでいて流れ作業で製品が組み立てられてるってんなら生産力は労働者数にある程度比例するというのはわかります。でも今はそうじゃないでしょう?生産力を決めるのは機械の稼動効率であって、労働者の数とはほとんど連動していないはずです。ですから、仮に完全雇用が実現したとしても、新たに労働者を増やさないで増産することなどいくらでもできるはずですから、このような意味での「経済の天井」という概念は、この技術進歩著しい現代においては全く意味不明です。
 まあ、労働者数で供給力が制限されてしまう分野ってのは今でもあることはあります。それは、宅配便などの運輸業や、ファーストフードの店舗、介護や保育関係など、人手に依存する分野です。まあ、あともっと規模が大きい分野では建設業なんかもそうですね。
 ですが、これらはいわゆる製造業とは異なり、そのサービス自体が「生活必需品」ではないため、需要が供給を上回ると、取り合いになるのではなく、サービスを間引くなどで需給間の「調整」が可能な分野です。従ってセリの原理でインフレが進行する、ということがありません。実際、ファーストフード店や宅配サービスの値上げも「今まで必要以上に安かった値段が適正価格に近づいてきた」範囲を超えているようには思われません。しかもそうこうしているうちに、宅配ボックスの普及とかドローン配達とか輸送車の自動運転技術のような新しいサービス形態や機械化も進展して人手不足を解消する方向にあるため、これらの業種が「供給不足によるハイパーインフレ」が起きるきっかけにはなるようなことは今後ともなさそうです。    (続く)

*   *   *   *   *

ここで飛び込んで来た財務省批判最右翼三橋貴明氏逮捕のニュース(8日夜釈放)。このことと関連するかどうかはともかく、mespesadoさん把握情報によると憲法改正に「財政規律」を盛り込む動き。mespesadoさん曰く、「財務省人脈恐るべし」。

*   *   *   *   *

83:mespesado : 2018/01/08 (Mon) 16:08:42 host:*.itscom.jp
>>79
 三橋氏逮捕のニュースは、実は例のウルトラ・サヨクのkojitaken氏のブログ↓

http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20180107

で知りました。実はこのkojitaken氏、並み居るリベラル系のブロガーにしては珍しく、リフレ論者であり、その点では三橋氏を正当に評価しています。ただ、(坊主憎けりゃ何とやらで)三橋氏が政治的にはウヨクなので、人物としては嫌っているようですが。
 私も、三橋氏が当たり前のように主張している「国家の会計と個人の会計は貨幣発行件の有無が違うんだから一緒にしてはいけない」などの議論にはよくぞ言ってくれた、もっとこのような常識が広まればいいのに、と思っていましたが、kojitaken氏の記事にもあるように、かつて参院選に出馬したものの、ネット世論を過大視して油断したのか落選してしまっています。いくら言論人がネットでオカネの本質を叫んでも、法律に反映するにはやはりオカネの本質をわかった人士が数多く国会議員になることがキモなので、これはちょっと残念でしたね(某青山氏が議員になるよりずっとメリットがあったと思うんですけど)。
 なお、例によって陰謀論ではないですが、三橋氏は、自身のブログで> 昨年12月13日付のブログでも、安倍政権に批判的であることから
> 「近い将来、わたくしに何らかの『スキャンダル』が出るか、痴漢冤罪
> (えんざい)で捕まるか、弊社に国税が来るのは避けられないでしょう」
> と意味深長につづっていた。
ということのようです↓

https://www.nikkansports.com/entertainment/news/201801080000279.html

 なので、今回の逮捕も(植草某氏の手鏡事件のような)ウラがあるんじゃないかと推理する向きもあるようですね。実際、今回も三橋氏本人は犯行を否認してるようですし。
84:mespesado : 2018/01/08 (Mon) 16:27:30 host:*.itscom.jp
>>82
 実はkojitaken氏のもう一つのブログの記事↓
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-1382.html
で知ったのですが、2015年2月28日の時事通信の記事でこんな記事が出てたようですね:

> 憲法改正、9条は後回し=環境・緊急事態で実績狙う-自民

>  安倍晋三首相が宿願とする憲法改正に向けた自民党の構想が固まって
> きた。まずは各党の賛同が見込まれる「環境権」創設などで実績を作っ
> た上で、9条をはじめ「本丸」と位置付ける条文を順次改正していく段
> 取り。来年夏の参院選後に第1弾の国会発議を目指すが、野党の警戒感
> も強く、思惑通り進むかは不透明だ。

>  自民党は26日、昨年末の衆院選後初めての憲法改正推進本部の会合
> を開いた。船田元・本部長は、今月上旬に首相と会い、最初の発議は2
> 016年参院選後とする方針で一致したことを説明。「今国会から、い
> よいよ憲法改正の中身の議論を鋭意進めていく」と宣言した。

>  船田氏は各党との協議で優先するテーマとして、環境権と、大規模災
> 害などに備える緊急事態条項、財政規律に関する規定の三つを列挙。出
> 席者からは「改憲を一度経験することで、国民に慣れてもらう必要があ
> る」との意見が出た。

 (後略)

 ここで恐ろしいのは、引用部分最後の段落で、新憲法に盛り込もうと考えている項目の一つに「財政規律」とあることです。
 しかも、上記のkojitaken氏の記事によれば、このニュースについて、かの有名な元大蔵官僚の高橋洋一氏がZAKZAKの記事↓
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20150228/dms1502281000002-n1.htm
で、

>  この中で財政規律条項についてみると、財政規律が不要とすると、
> 政府のムダ遣いが許されてしまうので、あり得ない。というわけで、
> 憲法に財政規律条項があるのは、何も問題ない。

と腰が引けたことを書いてしまっていることを嘆いています。
 まことに財務省人脈恐るべし、です。
 
*   *   *   *   *
一連の議論を受けた堺のおっさんのコメントが重要。
*   *   *   *   *
86:堺のおっさん : 2018/01/08 (Mon) 21:59:36 host:*.ocn.ne.jp
メッさん、御大に議論を読ませていただき…
改めて、安倍政権の目標がより鮮明になってきたのでは。
私は、安倍政権の強みが
①網と緑を官邸から追放して、外交・内政の半独立を勝ち取ったこと。
②日銀を奪還したことで、通貨発行権を世界のどの国家よりも使いこなしている事。
③3.11以来顕著になってきた少子化を「国難」と正しく捉え、政策的に対応しようとしている事。
この三つをあげたい。
強い独立国家とは、このどれ一つを外しても達成できない目標です。
強い独立国家があってこそ、国民は豊かさを享受できる。

*   *   *   *   *
久しぶりに「網(アーミテージ)と緑(マイケル・グリーン)」の名前が出たところで、実は昨日の山形新聞に共同通信配信の↓の記事が出ていました。ネオコンが現状をどう見ているかをうかがうことができます。みんなが期待する南北対話の方向は「困ったこと」なのです。
*   *   *   *   *

マイケル・グリーン300108.jpgマイケル・グリーンCSIS上級副所長に聞く

韓国の「過度な融和」警戒

米軍事攻撃の可能性低い

 

 米シンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)のマイケル・グリーン上級副所長は、韓国と北朝鮮による9日の南北高官級会談について、韓国が過度に融和的になる危険性を指摘する一方、米国が対北朝鮮軍事攻撃に踏み切る可能性は依然低いとの見方を示した。 (ワシントン共同)

 —北朝鮮が会談に応じる背景は

 「親北朝鮮的な韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権を米国や日本から分断し、米韓、日韓の関係にくさびを打ち込む狙いがあるが、(国際社会の)制裁が効果を見せていることも重要な要因だろう。もし韓国が楽観的になりすぎたら、北朝鮮への圧力を維持する上で、米韓や日韓関係には危険をもたらすが、会談には(成功への)機会もある。五輪期間中の緊張の緩和はいずれの国にも利益であり、支持する以外の選択肢はない」

 —懸念材料は。

 「日韓は従軍慰安婦問題で、米韓は自由貿易協定(FTA)問題で、いずれも本来あるべき強固な関係には北朝鮮を利する危険は最小限に収まるだろうJ

 ー緊張緩和は五輪期間だけの一時的なものか。

 「北朝鮮情勢は常に外交と緊張の繰り返しで、そこから離脱するには北朝鮮が核開発凍結の具体的な行動を取るか、それを日米韓が諦めることだが、いずれもまずあり得ない。トランプ政権は、過去の政権と同じ繰り返しは避けようとするだろうが、外交的成果はいずれにしろ一時的にならざるを得ない」

 —米国がいずれ軍事攻撃に踏み切る可能性は。

 「非常に低い。北朝鮮の核・ミサイル開発の進展は深刻度を増しているし、その技術や兵器がイランのような国に拡散する懸念もある。しかし、北朝鮮の核、弾道ミサイルの脅威を取り除くには、北朝鮮が侵略とみなすような大規模な空爆以外にあり得ず、それは戦争を引き起こす高いリスクがある。力や(核・ミサイル開発阻止の)強い意志を示すためだけの限定的な攻撃なら米政権も検討はしているだろうが、その場合も戦争を回避するのは難しい」

 [より懸念すべきは、北朝鮮が核によって守られているとの誤った認識から、サイバー攻撃や2010年の韓国艦沈没事件のような挑発に出ることだ。そうなれば米国や韓国は(軍事的に)対応せざるを得ない」


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めい

《朝鮮をならずものの理性を持たない“野獣”であるかのごとく看做し、それ以外の“理性を持った”国々がこの“野獣”をどうやって“檻に入れるか”
という視点でばかり考えていることが最大の問題であり、北朝鮮も「自国の国益を考えて最大限理性的に戦略を練っている」という意味では普通の国である、という視点が完璧に抜け落ちていると思うのです。》

   *   *   *   *   *

114:mespesado : 2018/01/11 (Thu) 20:51:02 host:*.itscom.jp
>>76 で田中宇さんの1月7日の記事を批評したところですが、その後どうなったかについて。

 >>76 では私が「違和感を感じる」と書いた記事の部分の一つ:

>  南北対話の再開が決まったものの、そこで北の核やミサイルのことが
> 話し合われる可能性はゼロだ。韓国側が、北の核やミサイルの話題を出
> したとたん、北の代表団は席を立って板門店の会議場を出て行ってしま
> うからだ。

について、実際は以下のようでした:

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO25484380Z00C18A1MM8000/
>  一方、韓国は核・ミサイルによる挑発を念頭に「緊張を高める行為を
> 中止し、非核化など平和定着に向けた対話を再開する必要がある」と北
> 朝鮮に要求した。韓国側の説明によると、北朝鮮は「非核化問題は議題
> ではない」と猛反発。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180109-00000135-jij-kr
> 【ソウル時事】南北高官級会談の北朝鮮団長、李善権・祖国平和統一委
> 員会委員長は9日、締めくくりとなった全体会議で、「われわれが保有
> している原爆や水爆、大陸間弾道ミサイル(ICBM)を含む、すべての最
> 先端兵器は徹頭徹尾、米国を狙っており、わが同族を狙ったものではな
> い」と主張した。

 「韓国側が、北の核やミサイルの話題を出したとたん」という仮定法のもとで、それだと北朝鮮が怒って帰ってしまうから、ゆえに話題にしないだろう、というのが田中さんの見立てだったと思いますが、実際は韓国は婉曲表現ながら話題にしたようですね。
 まあ、それに対して北朝鮮は、確かに“激怒”はしたようですが、ちゃぶ
台をひっくり返すようなことはせず、ちゃんと会議の終わりに自分の方から「われわれが保有している原爆や水爆、大陸間弾道ミサイル(ICBM)を含む、すべての最先端兵器は徹頭徹尾、米国を狙っており、わが同族を狙ったものはない」と主張した、というではないですか。
 やはり違和感を感じたとおり、田中さんの想定していたのとは違った顛末になったようです。が、重要なことは、田中さんがこの点で見込み違いをした、ということではありません。
 田中さんの1月7日の記事:
https://tanakanews.com/180107korea.htm
を改めて読んでみると、ロシアや米国、韓国については、それらの国の「問題解決意への意思」について述べていますが、北朝鮮だけは、その「行動予測」は述べても、北朝鮮自身の「問題解決の意思」については何も書かれていないことに気がつきます。北朝鮮は、ただの極東地域における理性の無い単なるトラブルメーカーとして描かれているだけです。
 ところが、実際はどうであったかを、冒頭に引用したニュースで見ると、

>  双方は軍事当局者会談の開催を含め、軍事的な緊張を緩和し平和的な
> 環境をつくるため、共同で努力していくことでも一致した。

> 締めくくりとなった全体会議で、「われわれが保有している原爆や水爆、
> 大陸間弾道ミサイル(ICBM)を含む、すべての最先端兵器は徹頭徹尾、
> 米国を狙っており、わが同族を狙ったものではない」と主張した。

という、北朝鮮の、自国の国益に適った戦略をきちんと述べています。
 つまり、これは田中さんだけの問題ではありませんが、多くの論者が、
朝鮮をならずものの理性を持たない“野獣”であるかのごとく看做し、それ
以外の“理性を持った”国々がこの“野獣”をどうやって“檻に入れるか”
という視点でばかり考えていることが最大の問題であり、北朝鮮も「自国の国益を考えて最大限理性的に戦略を練っている」という意味では普通の国である、という視点が完璧に抜け落ちていると思うのです。

by めい (2018-01-12 06:04) 

めい

松尾匤氏の議論から学べなかった野党。

   *   *   *   *   *

142:mespesado : 2018/01/13 (Sat) 22:59:22 host:*.itscom.jp
>>86 堺のおっさん wrote:

> 私は、安倍政権の強みが
> ①網と緑を官邸から追放して、外交・内政の半独立を勝ち取ったこと。
> ②日銀を奪還したことで、通貨発行権を世界のどの国家よりも使いこなし
>  ている事。
> ③3.11以来顕著になってきた少子化を「国難」と正しく捉え、政策的
>  に対応しようとしている事。
> この三つをあげたい。
> 強い独立国家とは、このどれ一つを外しても達成できない目標です。

 だいぶ前の書き込みに対するコメントになってしまうのですが、この指摘は大変重要な事実を指摘していると思います。
 今私は松尾匡さんの経済論の本を批評しているところですが、もしも野党に「素直で人の意見に耳を傾ける」能力があったとしたら、まずいことになっていただろうなぁ、と思っているのです。
 というのは、上で堺のおっさんの掲げた①~③のうち、②だけは今アベノミクスが実際に行っている施策を真似る、あるいは松尾さんの提言を素直に聞き入れて政策に生かすだけでよい、という意味で野党のような政治のシロウト集団にとっても実現が可能です。
 ところが①と③は、現在の野党にそれを実現できるような能力はありません(あえて断言します!)。
 ということは、もし野党に「素直で人の意見に耳を傾ける」能力があったとしたら、国民の関心事はほとんどが景気対策なので、野党が②を真剣に訴えることで、国民の多数派は、野党を支持することになっていたとしても不思議ではありません。
 すると、選挙の際に、②で国民の支持する景気対策を主張する野党が政権を奪取する可能性が無視できず、もし本当にそうなっていたとしたら、野党が①と③について全く無策であることが裏目に出て、日本の外交は危機を迎えていたかもしれないのです!
 こう考えると、(野党にとってはバカにされたと怒るでしょうが)野党が②を理解する能力を持っていなかったことは、日本にとってまことに幸運なことであった、と胸を撫で下ろすしかありませんw

by めい (2018-01-14 07:24) 

めい

改正憲法に《財政規律に関する規定》を盛り込ませるようなことがあってはならない!

   *   *   *   *   *

162:mespesado : 2018/01/16 (Tue) 07:20:53 host:*.itscom.jp
安倍政権下の改憲反対54%【共同通信】
https://this.kiji.is/325180456902132833?c=39546741839462401

> 安倍晋三首相の下での憲法改正に反対は54.8%で、2017年12月の前回調査
> から6.2ポイント増加した。賛成は33.0%。

 これだけなら、いつものとおりで驚くことは無い。ところが…

> 憲法9条に自衛隊を明記する首相の提案に反対は52.7%で、賛成35.3%を
> 上回った。

 おやおや、前の調査では、自衛隊の明記(加憲)なら賛成多数だったはずなのにどうしたことか…。
 と思ったけど、よく考えると、憲法9条なんて、単に大義名分の話であって、実行上、外国の侵略を防げる国防力を持ち、かつネオコンの加害戦争に巻き込まれなければよいのであって、これは憲法がどうであろうとあまり本質じゃない。むしろ憲法改正で問題なのは、前に触れたとおり、「財政規律条項」をさりげなく盛り込まれてしまうこと。国民の大多数は、この条項の重大さに気付きもしないし、仮に気付いたとしても、財務省の洗脳により「財政規律?そりゃ国の無駄遣いは生けないよね」などと賛成してしまいそう。
 そして、この「財政規律条項」が憲法に書かれてしまうと、経済対策として金融緩和が当面は絶対必要であるにもかかわらず、憲法違反でこれが実施できなくなり、経済は萎縮し、国家存亡の危機に陥ることになる。
 こういう観点からすると、(なぜかわからないが)加憲ですら憲法改正に反対の世論が強くなって、憲法改正を断念してくれるなら、その方がまし。
 改憲は、もっと国民が賢くなり、財務省の洗脳から目覚めてからでないとヤバイのではないか、今はそんな思いが強くなっています。

182 名前:飯山一郎 2018/01/17 (Wed) 21:36:04 host:*.dion.ne.jp
>>82 >>83 >>84 >>85 >>118 >>162
mespesado氏が,改憲案に「財政規律条項」がさりげなく盛り込まれてしまうことに危機感を表明しておられる.
氏は,改憲案に「財政規律条項」がさりげなく盛り込まれてしまうなら…
>改憲は、もっと国民が賢くなり、財務省の洗脳から目覚めてからでないとヤバイのではないか、今はそんな思いが強くなっています。
たしかに! mespesado氏のおっしゃるとおりでしょう.
船田元や高橋洋一など,財務省勢力が,自民党内にも学会にも多いので…
下手な改憲は,「財務省主権国家」(官僚支配)を固定することになる.

現・日本国憲法は,GHQ(アメリカ)に押し付けられ…
新・日本国憲法は,財務省に押し付けられる…
こんな↑↑ヤバイことになる可能性は,高い.
安倍晋三は,大きく変えるのは前文と9条だけ!というハラづもりでいるようだが…
問題は,自民党内の「隠れ財務省派」だ.

by めい (2018-01-17 22:21) 

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