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山口敬之『総理』 安倍批判がどこまで的を得ているか、その反省を迫る本 [政治]

『総理』.jpg山口敬之『総理』、アマゾンにレビューしてきました。五つ星です。

 

実は『暗闘』を先に読んだ。それはそれで『総理』発刊以降の情報、トランプ、プーチンとどう向き合って来たかについては貴重だが、先ず『総理』を読むべきだ。

 

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安倍批判がどこまで的を得ているか、その反省を迫る本

 

日本という国を想うならば、先ずもって読むべき本だった。国家の最前線が描かれている。「まえがき」に本書の第一の目的が《至近距離で目撃してきた安倍晋三と安倍政権のキーマン達の発言と行動を詳らかにし、読者に「宰相とはどんな仕事か」「安倍晋三とはどんな人物か」「安倍政権はどのように運営されているか」を広く知っていただくこと》(17p)とある。読み終えて、たしかにその達成を納得した。

 

物事をほんとうに知るということは、その物事の内的必然性を理解するということである。おのれの価値判断を優先させた「知ってるつもり」で物事を批判してみても、批判される物事にとってはせいぜい「五月蝿(うるさ)い」だけだ。私も安倍批判を重ねてきたが、はるかな遠吠えでしかなかったことを思い知らされた。おのれの安倍批判がどこまで的を得ていたか、その切実な反省が迫られる。


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「宮内よもやま歴史絵巻」28年度版 [宮内よもやま歴史絵巻]

◎「日本ハム」草創を担った宮内ゆかりの人々 

 

 いまや売上高(連結)一兆二千億円を越す日本ハム株式会社、創業者大社義規(おおこそよしのり 1911-2005)と共にその礎石となったのは宮内に縁ある人たちでした。

 日本ハムファイターズの初代オーナーで野球の殿堂入りも果している大社は、生家の没落により旧制高松高等商業学校を中退、叔父が経営する 徳島の養豚組合へ就職します。当時(昭和9年 1934)について日本経済新聞の「私の履歴書」(昭和59年 1984)にこう記しています。
《組合には、現在日本ハムの専務をしている鈴木茂雄君がいた。彼は私と同い年で、香川県から派遣されていた稲葉育男技師の甥だった。山形県の中学を出てから叔父を頼ってはるばる四国に来ていたもので、組合では私より二年先輩である。彼が、豚を気絶させるお手本をみせてくれた。さすがにうまいもので、必中である。彼とは誕生日が一日違いということもあり、すぐに仲良くなった。》

 稲葉育男は中川村中山の出身で宮内粡町稲葉亮三郎の兄、妻は粡町中山家の出。置賜農業を卒業後、ハムづくりの先駆者ローマイヤに学び、香川県でその技術を伝えていました。大社社長の右腕として副社長を務める鈴木茂雄は宮内菖蒲沢の出身、宮内高校鈴木隆一先生の弟です。昭和17年(1942)「徳島食肉加工場」が、大社が営業、鈴木が製造の責任を担ってスタートします。戦争による中断の時期を経て昭和23年再開、《工場再開には、鈴木君が、私のたっての願いを聞いてくれ、はせ参じてくれた。彼は故郷の山形で入隊したが、戦後はまた元の養豚組合に復職していた。製造技術に明るい彼が協力者として来てくれたのは、何よりも心強かった。》(同右)二人三脚での再スタートでした。

 昭和26年(1951)には「徳島ハム」となり、昭和29年(1954)大阪工場建設を皮切りに全国展開、飛躍の時代を迎えますが、その工場建設の先陣役が高畠泉岡出身の武田昭二郎。稲葉を頼って四国に渡り、戦後徳島工場再開時からの叩き上げ、大阪、下館(茨城県)、酒田、旭川、八戸等全国各工場の礎を築きました。粡町中山家に嫁いでいる姉の縁で稲葉につながります。妻は粡町高岡家の出です。

 なお、藤沢周平は「日本加工食品新聞」の編集長を十年も務め、日本ハムの成長をつぶさに見守ってきた人でした。大社が語った文章があります。《実は、藤沢さんとは、彼が作家になる前からの古い付き合いだ。1961年に、山形県のハム会社に資本参加した時に、食肉業界紙の記者五、六人を山形に招待したところ、山形出身で郷土の話を切々とされる記者がおられ、非常に強い印象を受けた。それが藤沢さんだった。・・・当時から作家になりたいと言っておられ、仕事の合間に小説を書いては、雑誌に投稿されていたことを覚えている。藤沢さんが初めて小説で賞を取った時も、直木賞をもらった時も音頭を取って祝いの会を開いた」〈談〉(「日経ビジネス」1994) 

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「置賜力」を考える  [メモがわり]

「置賜力」を考える     

南陽市更生保護女性会 平29.4.21 於 えくぼプラザ 

はじめに

○「置賜力」

山形県産の清酒をGI(地理的表示)指定まで高めたレジェンド的存在である山形県工業技術センター所長
小関敏彦さんが置賜出身であることを知った驚き(昭和31年、川西町大塚生れ。米沢興譲館高を経て新潟大学農学部農芸化学科卒)。

吉本隆明が米沢高等工業卒であり、井上ひさしが小松生れであり、ますむらひろしが米沢生れだった!

 

置賜観の転換

○上杉でなく伊達の視点への発想の転換(小川弘先生に聞いた「伊達遺風一掃政策(伊達事=悪い→「だで」「だでごど」の語源)」)

興譲館中学校校歌作詞/五十嵐力
 作曲/弘田竜太郎)

盆地米沢狭けれど
山には飯豊、吾妻山/川には松川、鬼面川/前には武道の不識公 /後には文道鷹山公 /自然に祖先にめぐまれし/
この恩寵を忘るるな /
興譲中学、興譲中学、学生我等」

・宮内中学校旧校歌 (作詞/結城哀草果 作曲/久木原定助)

南に開く国原/吾妻嶺と呼び合う飯豊/置賜は四季美しく/青ぞらにいらか輝き/晴れやかにサイレンひびく/学校は知徳満ち満つ/来よ、来よ、来よ/共に学ばん」

置賜人にとっての置賜観を変えたNHK大河ドラマ『独眼竜政宗』1987

伊達政宗が愛して止まなかった置賜25歳までこの地を拠点として成長した伊達政宗は、秀吉により岩出山への移封を余儀なくされた。それから23年を経た慶長19年(1914)、徳川幕府の命により越後高田城築城総裁として出向の帰途、次の歌を残している。)

   故郷は夢にだにさえ疎からず現になどかめぐり来にけん

  (夢に見ることしばしばであった故郷置賜、その地にいまこうして足を踏み入れるときが来ようとは)

  越方の思い旅寝のふるさとに露おきまさる草枕かな

  (越後での築城の工事を終えての帰途、思い出の故郷での旅枕にしきりに涙があふれてなりません)

  ある時はあるにまかせて疎けれど無きあとを訪う草枕かな

  (この地に居たときは在ってあたりまえと思っていたことも、この地を離れて旅人として来てみると、

   在ったものが無くなってしまっていることの何という切なさよ)

○置賜に於ける寺社山岳配置の妙の発見

○「21世紀、置賜は世界の中心となる!」1991

○直江兼続が主人公のNHK大河ドラマ『天地人』2009

○「江戸時代の2000藩主の中でぜひ大河ドラマに取り上げてほしい藩主・上杉鷹山公」(磯田道史・林修/2016

 

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埼玉県白岡市の獅子博物館から [熊野大社]

獅子表紙.jpg3月30日のこと、獅子宿の渋谷さんが、埼玉県白岡市の獅子博物館の高橋裕一館長とフランス国立ケ・ブランリー美術館のジュリアン・ルソーさんと共に、熊野大社の獅子頭を見せて欲しいということでおいでになった。齊藤喜一頭取と鈴木信一総取締役と私とでご案内した。獅子博物館については10年以上前になるが、南陽市教育委員会の吉野一郎文化係長(当時)から聞いていた。ネパールに熊野大社の御獅子様のように頭に鏡が入ったものがあったということで、その写真をいただいたのだった。そこの館長さんということで、吉野さんのことを覚えておられ、私も初めてではないような親しみを感じた。その館長さんが作製された詳細な報告書が一昨日届いた。熊野大社についても多くのページが割かれてあり、貴重に思え転載させていただく。

「はじめに」で、今回の経緯がよくわかる。

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一触即発? [現状把握]

「放知技」板からです(太字は引用者)。不気味な風音》が不気味です。


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989:堺のおっさん:

2017/04/17 (Mon) 22:46:43host:*.ocn.ne.jp

今夜の大阪は嵐。不気味な風音がする。

気が付けば、アメリカは北朝鮮に引きずり込まれてしまった。

ペンスもまた、アメリカが主導権を持っているように錯覚しているが、

金正恩にうまく誘導され、板門店で脅しの啖呵を切ってしまった。

「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」なのだが、

情報戦でも自信満々のアメリカは北朝鮮(および旧瀋陽軍区)の

軍事的実力を見誤っており、必勝の前提で作戦を立案すると思われる。

もはや、アメリカは開戦する選択しかないと思われる。

そしてシリアのように、必ず、短期決戦の奇襲作戦を実行するだろう。

それを誘発させるのは金正恩の腹一つ。

この戦争、すでに主導権は金正恩が握っている。

後は、開戦の引き金となる核実験のボタンを押すだけだ。


991:飯山一郎
:2017/04/17 (Mon) 23:37:41host:*.ocn.ne.jp

>>987

アメリカという国家には,「使命感」はあっても,「国益観」はありませんでした.

それぞれの「衆」=勢力が,勝手放題に自己利益を追求して,ブン獲れるだけブン捕ってくる.

インディアン狩り,ゴールド・ラッシュ,最近ではイラク,リビア…等々,みな収奪し放題でした.

「共産主義との闘い」,「民主主義」.世界中で「アメリカの使命」を掲げて,ヤッてきたことは略奪行為.

アメリカ合衆国は,口では民主主義を説教しながら,強盗をはたらく,「説教強盗」のような国家でした.


「国益」らしきものも,「偉大なアメリカをつくる」といった抽象的で空虚なものでしたが…

国家社会の全体が疲弊し,劣化し,デフォルトする間際になって,トランプが出てきて…

内需拡大,インフラ整備,貧困化停止などなど具体的な政策をもった「アメリカ・ファースト政策」.

この「アメリカ・ファースト」政策こそ,実現すべき「国益」といえるものでした.


しかし,その「国益追求」も,今や風前の灯(ともしび).

またもや戦争屋勢力が抬頭し,勝手放題に自己利益を追求しはじめました.←いまココ.


なお,北朝鮮に対する要求というのは,「核ミサイル開発を止めろ!」ですが,これは大義名分でしかなく…

実態は…


戦争屋勢力(マクマスター)がトランプ政権を牛耳って…

中東と東アジアを緊張状態にして…

軍産が儲かる構造を維持しつつ…

あわよくば,北朝鮮をリビア化し,国富収奪を図り…

可能なら,中国を分断させ,分割統治したい!

と.


以上です.>ちょっこしさん.


992:飯山一郎
:2017/04/18 (Tue) 00:22:39host:*.ocn.ne.jp

>>989

堺のおっさんは↓↓さすがに読みが深いです.

>この戦争、すでに主導権は金正恩が握っている。

>後は、開戦の引き金となる核実験のボタンを押すだけだ。

すべては,金正恩(33)の胸ひとつ,ハラ次第,と.

しかも今回は,ロシア・中国・旧瀋陽軍区が,金正恩を全面バックアップ.


いっぽうのアメリカは…

電磁波ジャミングで北朝鮮の軍事力を麻痺させれば,2時間で勝負がつく!

軍事力・軍事技術では,アメリカが圧倒的に優勢!

あとは,いつヤルか?だ.

こ~ゆ~↑↑自信たっぷりの見方,考え方をする学者,政治家がほとんどで…

アメリカが北朝鮮に負ける!とは,誰一人思っていません.


ベトコン=南ベトナム解放民族戦線に完敗した!という記憶は,忘却の彼方.


だっから!

北朝鮮が38度線近くの韓国の村に毒ガスを撒いた残酷な写真を…

いつも一緒にいるイヴァンカ・トランプ親子に見せながら…

「電磁波ジャミングで北朝鮮軍を麻痺させれば,2時間で勝負がつきます!」

と,マクマスターとクシュナーに言われ…


残酷な画像を見たイヴァンカが…

「パパ!これはヒドすぎるわ!金正恩は悪魔だわ! パパがヤッつけて!」

と,涙をポロポロ流して,泣きながら,父親のトランプに訴える…


すると,クシュナーが…

「オヤジ,ヤッちゃいましょ!
日本,韓国,いや世界中がオヤジを賞賛します!」


そこへマクマスターが…

「大統領!いま! 北朝鮮が金正恩の命令で,水爆実験を強行しました!」


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以上をまとめたのが、↓これ 

 

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ツチヤタカユキ『笑いのカイブツ』 [小田仁二郎]

笑いのカイブツ.jpg

こういう世界もあるのか、とリテラの記事で知った。アマゾンのレビューに《あふれんばかりの情熱を文章のなかに感じました。心動かされる最高の作品です。》とあって衝動買い。届くや、忙しいのに一気に読まされた。


読みつつなぜか小田仁二郎を思いうかべていた。なんとなく、宿題としてずっと気になっている『にせあぽりや』の世界のような気がしていた。このところ書いてなかったアマゾンレビューを書きたくなって、なぜ小田仁二郎と重なるかをさがしているうち、『塔の澤』に思い至った。このくだりは他のところにもあったし、たしか寂聴さんも書いている。(とりあえず『場所』を注文)


塔の澤.jpg文学者53.jpg『塔の澤』は、昭和29年下半期直木賞の予選候補作だった。手元に初出の「文学者53」がある。その後活字になったものかどうか。


以下、レビュー。


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「詩人の会」の余波? [メモがわり]

錦三郎先生は「詩人の会」開催メンバーのひとりだった。昨日の山形新聞「気炎」で、その錦先生の歌が大岡さんの「折々のうた」に二回取り上げられていることを知ってうれしかった。「詩人の会」がきっかけとなったお二人の交流があったのかもしれない。


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大岡信さんの詠進歌

 

 大岡信さんが5日、亡くなった。大岡さんは詩人、評論家として大活躍されたが、大岡さんと我々普通人とを結んだのは全国紙に6762回連載された「折々のうた」であっただろう。古今東西の多彩なジャンルの詩歌を取り上げ、180字ほどの寸評をそえたこのコラムは詩歌の魅力と言葉の持つ力に目を開かせてくれた。

 この「折々のうた」に父の短歌が2回登場した。初回は〈孫娘二人相和し唱ふこゑ「恋に生きたい二人です」ああ〉。大岡さんは、「独特の瓢逸昧」「何の気兼ねもないよさ」と評した。2回目は〈和同五年陸奥よりわかれし出羽の国その境界も大らかなりき〉。この時は「専門歌人臭がないところが貴重」「おっとりした歌い口が、そのまませせこましい現代生活への批評となっている」と論評した。

 父は中央歌壇に名を轟かせた歌人ではない。それなのに大岡さんはどうして父を厚遇したのか、不思議だった。その疑問が解けたのは丸谷才一さんのエッセー「歌会始に恋歌を」読んだ時だった。

 このエッセーは、大岡さんがある年の歌会始の儀(題は「幸」)の召人になり、〈いとけなき日のマドンナの幸ちゃんも孫三たりとぞeメール来る〉という歌を詠進した話から始まる。丸谷さんはこの歌を「歌会始の歌の詠みぷりに対する果敢でしかも粋な批評があ

る」と感心する。大岡さん自身も、歌会始という厳粛なしきたりに従順にしたがう気はないという態度の表明としてこの歌を提出した、と語っているという。日本文学の中心にあるのは和歌であり、そのまた中心にあるのが天皇の恋歌であるとする丸谷さんの持論を適えた歌でもあった。

 大岡さんの歌には何の気兼ねもない。専門歌人臭もない。現代生活への批評を含んでいる。大岡さんが父の歌を評価した理由がよく分かった気がした。(天見玲)


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谷川俊太郎・正津勉/吉野弘/團伊玖磨 [思想]

表題の名前は、昭和59年から61年まで宮内幼稚園を会場に開催された「詩人の会」に来られた方々。このたび亡くなった大岡信は昭和62年。大岡氏の時以外にもその時々、「週刊置賜」に感想を寄せていた。それらを引っ張り出してきたので記録しておきます。30年前のことでした。当時の気分が甦ります。

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詩人の会 谷川・正津.jpg

IN南陽1984 ポエトリィフォーラムに寄せて


 「現代詩」というものがひとつの社会的役割を担って、時代の表舞台に登場しつつあるのではあるまいか。そんな予感を抱かせられた集いであった。

 「現代詩とは理解するに最も難解な文学形態である」という一般通念を作者の肉声によってぶち破り、「現代詩とは作者の心情を最も直截に表現しうる文学形態である」ことを納得せしめようとする。特に最後の正津勉氏の「青春の闇」の朗読においてその方向性を感じとったのは払だけではあるまい。

詩人の会 チラシ.jpg

 おのれの切迫した心情をどこまであるがままに他者に語り伝えることができるものだろうか。正直になろうとすればするほど芝居じみてしまう。他者が面前に存在する限り、おのれ自身に徹することは不可能に近い。しかし、他者とは全く関わりないところでいったん文字として書きあらわしたものを、その時の心情に立ち戻って他者の前で読み聞かせる、このことで聴き手は表現者の切迫した心情に直接触れることも可能となる。正津氏のシンナー体験の中から生まれたという「青春の闇」が朗読された時、会場を覆ったのは活字を見ただけでは決して触れることができないであろう、正津氏の「体験」のイメージであった。

 意地悪く『露悪趣味」といえぱたしかにそうである。しかし、正津氏のその思いっきりのよい朗読に拍手が起こったのも確かである。誰も気恥かしくてできないことをぬけぬけとやってしまう人がいてまたそれを期待する人もいる。そこに何かがぶち壊れてゆく小気味よい感覚が生まれる。そういう状況が生じたのである。

 かつて、戦後を代表する詩人のひとり吉本隆明は、『ぼくが真実を口にするとほとんど世界を凍らせるだろう』と妄想した。こうした集いの試みが「口にできなかった真実」を口にしようという試みだとしたら、なんと刺戟的なことではないか。正津氏は「近く山形で事件を起こす」と宣言した。(四月二十八日、山形市で同様の会が開かれる。)

 ゆきつく果ては見えぬまま時代は大きく動いている。いま「たしかなもの」があるとすれぱ、吉本隆明のいう「心の状態」(『エリアンの手記』)だけなのかもしれない。そうした時代の必然の中で開かれたこのたびの集いであった。(59.4.14



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大岡信氏の訃報に接して(3) 脈打つ世界 [思想]

先の質問の後さらに調子に乗って、まったく酔っ払った勢いに違いないのだが、大岡氏のこの話を聴いたら、おそらく今の自分でも同じ問いを発したのではないかと思える質問をやっていた。それに対する大岡氏の答えがいい。地球ってのは全体が息してますから、こうやって。宇宙も息してる。》これは、ちょうど今、私がいちばん関心を向けている栗本慎一郎氏の、「社会は比喩でなく生命そのものである」論に重なる。また、最初の日本人の叙情的な表現が結集した時代》である八世紀論から説き起こされた話は、大岡氏の大局的歴史観がわかってうれしい。さらに、(敗戦によって)ペシャンコになった筈なのに、四十年足らずの間に、ある種の分野では全世界をリードする立場になってトップを走ってる。文学の方が後れているけれど、文学はあと数十年の内にすごく仲びると思うんですね。》それから30年経ったわけで、このことを大岡氏はどこまで確認して逝かれたのだろうか。ともあれ、その時はどの程度理解したか定かではないが、今読んでみて、こういう答えを引き出した当時の自分を褒めてあげたい気持ちになった。記録に残してくれた「週刊置賜」にあらためて感謝したい。

 

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飯山一郎v.s.田中宇 トランプのシリア攻撃をめぐって [現状把握]

飯山一郎氏、昨日の「てげてげ」の題は「あ~あ,ただの戦争屋のオッサンになっちゃった」
曰く、• トランプは,ブッシュのイラク侵攻の時と同じ理屈を使った./• 『フセインは大量殺戮兵器を持ち,子供たちや美しい水鳥たちを殺している!』とブッシュは宣言し,イラクに侵攻した./• あの時と同じ,米国戦争屋(軍産複合体)が書いた文章だ./• 米国は他国の「政権転覆」をしない!(記事)と断言していたトランプだったが…,現在のトランプは戦争屋の言いなり/ • 非戦派の軍帥・フリン,戦略家のバノン,草稿の名人・スティーブン・ミラー(31).国づくりの天才たちが去った現在のトランプ政権は,軍産複合体の巣窟になってしまった.(バノンは「極右」ではなく,反グローバリズムの戦略家!)/• 以前と何も変わらないアメリカ.相変わらずの戦争国家./• こ~鳴門,戦争の渦潮,濁流がアジアにも押し寄せる!/• 米国戦争屋は,東アジアでも破壊と殺戮の戦争を繰り広げよう!としている.(記事) 世界は,戦争の時代に舞い戻った!》ただし、 こういう↑最悪のシナリオは想定しておこう>皆の衆》としてはある。

対して、今朝田中宇氏の国際ニュース解説 無料版は★軍産複合体と正攻法で戦うのをやめたトランプのシリア攻撃」
曰く、《トランプのもともとの戦略は「覇権放棄・多極化(隠然)推進」だ。トランプは当初、ロシアと仲良くして覇権を譲渡していくことを模索したが、軍産が「トランプ政権はロシアの傀儡だ」「ロシアは米国の選挙に介入してトランプを勝たせた」といった濡れ衣スキャンダルを展開し、トランプがロシアとの敵対を解いていくのを阻止した。対露協調の主導役だったマイケル・フリン安保担当補佐官が2月中旬に微罪で辞めさせられ、軍人のマクマスターと交代した。今回ついにバノンもNSCから追い出された。トランプは、覇権放棄戦略を正攻法で進められなくなった。/だが、正攻法でないやり方なら、まだやれる。トランプは、軍産の傀儡になってみせて、シリアを濡れ衣ミサイル攻撃したが、その結果見えてきたのは、ロシアと戦争できない以上、シリアをますます露イランアサドに任せるしかないという現実だった。「可愛い子どもたちを化学兵器で殺したアサドを武力で倒す」と(演技っぽく)激怒して息巻くトランプに対し、軍人や諜報界の人々は、ロシアと戦争することになるのでダメだと言い出している。おそらくNSCのマクマスターも、トランプに、米露戦争はできませんと進言している。トランプが軍産傀儡っぽく戦争したがるほど、軍産の人々は戦争したがらなくなる。》さらにトランプが今回、突然に軍産の傀儡として振る舞い出してミサイルを発射したとたん、それまでトランプ敵視ばかりだった米議会が一転してトランプを称賛し始めた。・・・議会の支持を維持できれば、経済や国内の政策も議会に通りやすくなる。結果が変わらないのであれば、バノンが提唱していた過激な正攻法のトランプ革命方式より、非正攻法の隠然とした傀儡演技の方が効率的ともいえる。》まさに「マキァヴェリズム」の真骨頂ではないか。ただし、バノンがトランプ側近を辞任すると、おそらくトランプ政権内のナショナリストが総崩れになる。それは政治軍事だけでなく、経済の分野でも政策の大転換引き起こしうる。以前に書いたが、米国がTPPに復帰し、NAFTAやWTOを再評価し、経済覇権の再獲得へと動くおそれがある。それについては、事態の推移を見ていきたい。》

飯山氏の絶望論調に対して田中氏のマキァヴェリズム的深読みで一見対立。ただしそれぞれの保留を考慮すると、視点が逆なだけで、収まりどころは同じなのかもしれない。

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