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追悼 置賜人・井上ひさしさん [井上ひさし]

 井上ひさしさんが小松の生れであることを知ったのは、まだ学生の頃『手鎖心中』を他人事ではない思いで読んでから大分経ってからだった。隣町生れであることを知ったときの驚きは、当時畏敬すべき思想家であった吉本隆明という人が米沢で学生時代を送っていたことを知ったときの驚きに比肩しうる驚きだった。いずれも、マイナーな地域と思って育ってきた置賜を、まんざら捨てたものでもないと思うようになるきっかけとなった。

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<追悼 井上ひさしさん(2)>「花よりタンゴ」「しみじみ日本・乃木大将」観劇記  [井上ひさし]

 観劇記を2つ。
 
「週刊置賜」昭和61年12月13日号掲載の「花よりタンゴ」と平成3年11月の「しみじみ日本・乃木大将」です。たしか「乃木大将」を最後に井上さんの劇は観ていません。

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「花よりタンゴ」観劇記 無念!!不発
 
昨年の『きらめく星座』では、作者でもあり、演出家でもあった井上ひさし氏と、傷夷軍人小笠原源次郎を演じる名古屋章との間に成立した見事な緊張が、井上氏の意図(軍国主義の戯画化)を超えて、井上氏の中にある意図せざる本質(宮沢賢治的生真面目さ)を引き出す結果を生み、われわれは素晴らしい舞台に酔いしれることができたのだった。

そして今年は『花よりタンゴ』。昨年の興奮の再現を信じて足を運んだのだが、井上氏の上澄み的思いだけが空回りして、今以って渦中の人(当時、好子前夫人との離婚問題真っ只中)でありつづける井上ひさしという人への、なぜかいとおしさだけが後味として残る舞台であった。
 

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<追悼 井上ひさしさん> 「きらめく星座」観劇記  「生真面目」の復権 [井上ひさし]

井上ひさしさんが亡くなりました。昭和57年の夏、小松の学校の体育館で講演された時からのご縁があります。いや、さかのぼれば学生時代「手鎖心中」を読んだときからといえるかもしれません。その時、井上さんが小松生れであることはまったく知りませんでしたが。


井上さん関わりでいろいろ書いていました。

まず、昭和60年11月16日の「週刊置賜」に書いた「きらめく星座」の観劇記です。


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「きらめく星座」観劇記

「生真面目」の復権

        

開幕の十数分前、劇の舞台となる昭和15年当時の流行歌のメロディが静かに流れ出した。この音楽に誘われて、会場の中にまでひきずりこんでいた普段の暮しの気分が、演劇を観てるのだという気分へと変わっていくのを感じた。そのとき、これが「文化」というものか、ふとそんな気がした。「文化」を「東京」と言い換えてもよかったかもしれない、そんな雰囲気が漂った。子供の頃、東京からの汽車を見て、この線路がず-つと東京まで続いているんだなあと思った時の感慨に似ていたといえなくもない。そして、われわれ置賜人のために井上ひさし氏が果たしてくれつつある役割といったことも頭をかすめたのだった。さて、幕が開く。

 

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