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「アマゾンvs.アリババ」に日本企業メルカリが割り込む構図がすごい [現状把握]



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《もはや人々はアマゾンというインフラなしでは暮らせないかもしれません。・・・いったんアマゾンの要塞に足を踏み入れたら最後、消費者も、事業者も、競合事業までもが囲い込まれ、このアマゾンの要塞のなかであらゆる経済活動が完結する。より正しくは、それを余儀なくされる可能性があるのです。》(273p) まさに実感、よくわかる。アマゾンの日本上陸が2000年11月、当時すぐ紀伊国屋から乗り換えたのは手軽さで勝っていたのだと思う。以来17年のつきあい。まもなく送料が無料になった。町に出ても書店に立ち寄る回数はどんどん減っていった。そのうち中古本が充実して、本屋で見つけた本もアマゾンで確認して、あれば中古本で手に入れる。さらに書籍にとどまらず、必要なものがあれば、先ずアマゾン。今では日を置かずアマゾンからの配達がある。そもそもそのアマゾンとはなにものか。知りたくて手に取った。一気に読ませられた。

 《「君の仕事は、いままでしてきた事業をぶちのめすことだ、物理的な本を売る人間、全員から職を奪うくらいのつもりで取り組んでほしい」》(54p)アマゾンの総帥ジェフ・ベゾスが、幹部を書籍部門からデジタル部門に異動させた時の言葉だ。そうして電子書籍界の競合から突出し、さらに印刷物としての書籍の地位をも脅かす キンドルが生まれる。自らを凌駕して突き進む「破壊的イノベーション」、その大義たる「顧客第一主義」、こうしてアマゾン世界は膨張し、日々の暮らしに浸透してきた。その一方、視野は宇宙に及ぶ。この先どうなるのか。

 敵なしにも見えるアマゾンを、中国の雄アリババとの対比で相対化してみせるその著者の手際がいい。両者の違いは「将」に発する。《ジェフ・ペゾスがビジョナリ—・リーダーシップ、「将来こうなりたい」という大きな夢で人を鼓舞するタイプのリーダーであるとするなら、ジャック・マーはミッション・リーダーシップ、すなわち「中国は、世界はこうあるべきだ」という社会的ミッションを掲げて人を巻き込んでいくタイプのリーダーだといえそうです。》(241P)図式化すれば、「私」を起点とするトップダウン方式のアマゾン vs.「公」に根ざすボトムアップ方式のアリババ、つまりは西洋対東洋の対比ということか。日本がそこに割って入るとすれば、《私は「アマゾンvs.アリババ」に対抗する新経済圏を創造する企業が今後10年の間に日本企業から登場するとしたのなら、それはメルカリであると予想しています。・・・その本質を私はP2Pプラットフォーム企業と捉えているからです。》(296p)「P2P」とはPeer to Peer、《対等な仲間同士がつながるという意味を持った、共創による広がりと大きな可能性に満ちた概念です。》(298p)そして著者の展望、《(メルカリの)山田CEOの優れたトップダウン・リーダーシップだけではなく、メルカリにはボトムアップ・リーダーシップも存在している。「文化的イノベーション」を生み出し、新たな時代の「文化ブランド」に成長する可能性も秘めている。そこに「アマゾンvs.アリババ」に対抗する日本企業としての将来性を生み出しているのです。》(299p)《次代のビジネスの中核が非中央集権型で分散自律型であることを特徴とするブロックチェーンであるとする見方が強まっているなかで、ブロックチェーンと融合性が高いC2C企業であるメルカリが、P2Pプラットフォームまでをも構築していくことに大いに期待したいと思います。》(300p)

 「アマゾンvs.アリババ」に日本企業メルカリが割り込む構図がすごい。「C2C企業であることを超えてP2Pプラットフォームの構築の可能性」の意味するところは大きい。個人を消費者としてだけ捉えているC2C(消費者対消費者取引)に対してP2P(対等仲間間交流)は貨幣経済を超えて広がる。ゼニカネ感覚とは別次元世界が開けてくる。著者は別のところでこう言っていた。《仲間とともに目標設定し、仲間とともに目標を実現していく。私たちは、仲間とともに仕事をしていく「ピア・ツー・ピア」での事業構築、「ピア・ツー・ピア」相互間の新たなコミュニケーションこそが、これから日本企業、そして日本のビジネスパーソンがAI時代の中で生き残っていくための大きなカギになると考えているのです。》プレジデント オンライン

 目次一覧の紹介を見て拾い読みのつもりで購入したが、全文本気で読まされた。

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