So-net無料ブログ作成
  • ブログをはじめる
  • ログイン

mespesadoさんによる1億人のための経済談義〈16〉 所信を貫く安倍体制のオトナぶり [mespesadoさんによる1億人のための経済講]

池田信夫氏がとりあげている『ネオアベノミクスの論点』が出たの3年前。著者の若田部日銀副総裁、当時は早稲田大学教授。いちばん新しいアマゾンレビューが「経済予測が的中している」で★5つです。いわく「出 版は2015年1月であるが、2018年の今読み返してみると、アベノミクスを正しく評価し、将来について的確に予測している。かつ学問的主張が首尾一貫 している。井戸端経済コメンテーターとは一線を画している。結局のところ経済学者は予測的中率が高いことが能力の高さを示す。著者が日銀副総裁に任命され たのは日本経済そして日本国民にとっても僥倖である。」(2018年4月5日)

mesさんの議論から、忖度しつつ身を躱(かわ)しつつ所信を貫く安倍体制のオトナぶりが見えてきます。
*   *   *   *   *

947:mespesado : 2018/06/26 (Tue) 23:17:23 host:*.itscom.jp
 へっぴりごしさんが、池田信夫氏のエッセイ: 財政ファイナンスの何が悪いのか
http://agora-web.jp/archives/2033381-2.html を取り上げていて、私にコメントを振られたので取り上げます。

 > 日銀の若田部副総裁が国会で、日銀による長期国債の買い入れについて
> 「物価2%目標の実現に向けた金融政策上の目的で行っている」とし、
> 「政府による財政資金の調達を助けることを目的とする、いわゆる財
> 政ファイナンスではない」と語った。これは彼の過去の言論と矛盾する。

 ここで「財政ファイナンス」というのは、いわゆる国債の中央銀行による直接買い上げのことを指します。

> 彼は『ネオアベノミクスの論点』で、「デフレからの脱却には、財政フ
> ァイナンス的な政策がじつはもっとも効果的なのです」(p.96)と書いた。
> 財政ファイナンスが効果的なら、日銀がそれをやらないのは職務怠慢で
> ある。財政ファイナンスで日銀が国債をすべて買えば「無税国家」がで
> き、納税者もハッピーだ。

> これは理論的には、必ずしも荒唐無稽とはいえない。若田部氏がいうよ
> うに、政府と日銀の統合政府のバランスシートで考えれば、日銀が国債
> を買うのは子会社が親会社の社債を買うようなもので、連結の債務は増
> えないから、政府と日銀の債務を区別する理由はない。

 そのとおりで、日本はやろうと思えばこの方法ですぐにでも「無税国家」にできます。それならなぜそうしないかというと、財務省の利権が剥奪されるから。実にクダラナい理由です。

> だが、その意味は彼がいうのとは逆である。彼は「国債には金利がつく
> が日銀券は無利子だ」と考えているが、これは錯覚だ。日銀の債務を保
> 証しているのは政府なので、金利上昇(国債の暴落)で日銀が債務超過
> になったら、一般会計から資本注入が必要になる。

> そのスケールは金利2%で50兆円だが、日銀の保有資産は時価評価しな
> くてもいいので、問題は先送りできるかもしれない。この場合は市中銀
> 行の「取り付け」が問題だが、それも日銀が無限に資金を供給すれば、
> 救済できるかもしれない。この場合は、政府がさらに大きな(100兆円
> 規模の)資本注入をしなければならない。

 「一般会計から資本の注入」とか不安をあおっておきながら、すぐあとの段落で「日銀の保有資産は時価評価しなくてもいいので、問題は先送りできる」とか書いちゃって。完全にマッチポンプですな。

> もし「日銀が貨幣をどんどん発行してインフレになる」と市場が判断す
> ると、ハイパーインフレになるかもしれない。

 今の日本の超過剰な供給力を考えると、いくらオカネを刷ったってハイパーインフレになるはずがないし、その理由があまりにも明白だから、「インフレになる」と市場が判断することも無いでしょう。

> 問題は資本逃避によって、インフレ→円安→インフレのスパイラルが止
> まらなくなることだ。この場合は、政府も日銀もインフレをコントロー
> ルできない。「日本国債は邦銀や生保が買っているので大丈夫だ」とい
> う人々は、金融村は愛国心で国債を買っていると思っているのだろうが、
> 物価水準が2倍になると予想したら、邦銀も海外に資本逃避するだろう。

> それを阻止する方法は、一時的に外為規制で海外への資金移動を禁止す
> ることだ。これは技術的には不可能ではないが、日本はアルゼンチンや
> メキシコと同じ途上国扱いになり、対内投資も止まるだろう。逆にいう
> と、それぐらいのインパクトがないと何も起こらない。

 マイルドなインフレすら起きないのだから、資本逃避なんて起きないでしょう。例えば金利差で外債の方が多少有利になったって、為替リスクがこわいから資本逃避と言えるようなパニックは起きようがありません。で、

> 2%のインフレ目標では、財政ファイナンスだとは信じてもらえないの
> だ。

> つまりゼロ金利では「財政ファイナンスで実質債務が踏み倒される」と
> 市場が信じない限り、インフレにはならない。Sargentも指摘したよう
> に、インフレは貨幣的な現象だが、ハイパーインフレは財政的な現象な
> ので、メカニズムがまるで違う。

> 通常は日銀が金利を上げるとインフレは収まるが、財政インフレは金利
> を上げると悪化する。名目政府債務が膨張するからだ。インフレは中央
> 銀行がコントロールできるが、財政インフレはコントロールできない。
> これが金融には素人の若田部氏(専門は学説史)が理解していない違い
> である。

  財政インフレなどという起こりもしないことを心配した無意味な議論が続きますが、初めに戻って、日銀による長期国債の買い入れについて「物価2%目標の実 現に向けた金融政策上の目的で行っている」と言っているのは、あくまでも「インフレになることを目的とするリフレ政策を遂行している」というタテマエから の発言であり、現実にはオカネを刷ることにより景気を立て直しているのだから、「政府による財政資金の調達を助けることを目的とする、いわゆる財政ファイ ナンス」であることは明白ですが、それを公的に認めてしまうと、徴税以外によるオカネを増やされると利権を失う財務省の横槍が入るから、正式には絶対認め ないんでしょうね。そういう意味では池田氏より若田部副総裁の方がはるかにオトナだと思います。


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。